デザキャリ

グラフィックデザイナーのキャリアについて考えていきます。

グラフィックデザイナーこそ労働問題の知識が必要

今回はグラフィックデザイナー志望の方や、現役のグラフィックデザイナーこそ

自分の労働問題には敏感になろう、という内容です。

デザイナーとひとくくりにいっても、

プロダクトやパッケージ、ファッションなどありますが、

私が知っているのはグラフィックデザインだけなので、

このブログで語る内容は基本的にはグラフィックデザイナー向けだと思ってください。

 

もちろん、応用できることがあって記事が役立てられたらとても嬉しいです!

学生時代の就職活動

私の年齢についてはロスジェネ世代後半とさせてください。

私の世代は、上は就職氷河期、下の世代は、リーマンショック

内定が取り消しになっているような世代です。

改めて文字にしてみると地獄かよ…という印象ですね。

 

学生時代は、美術系専門学校で3年間グラフィックデザイン

エディトリアルデザインを勉強していました。

編集デザインに興味があったので、卒業後は雑誌や書籍のデザインをする

会社に入りたいと思って就職活動をしていましたが、全く引っかからず…。

 

 

今思えば、周りの友達も就職活動をしていなかったせいか、

就職活動を完全にナメていました……。

ポートフォリオを作って持っていけば何とかなる、くらいの態度でした。

 

今でこそ新卒向けのリクナビマイナビがありますが、その当時は

そういう便利なサービスは存在していなかったので

雑誌の募集広告と学校の掲示板を見て、かたっぱしから応募した記憶があります。

 

1社、声がかかった…?

卒業するまでに1社、「今は募集していないけど6月頃に来て」と

行ってくれるエディトリアル系の会社があったので、

「それまでAdobeのソフトを使えるバイトをしておこう!」と思い、

近所の印刷屋でDTPのバイトをしていました。

 

なお、5月頃にその会社に連絡したら

「経営状況が悪化したから雇えない」と言われてしまい…。

これも今になって思えば、完全に口約束だったので契約書を交わすなど

しておくべきでした。

完全に社会をナメていた私です…。

 

デザイン会社の法令遵守意識≒0

デザイナー経験、社会人経験がなかったうえに、周りにデザイナーの知り合いも

いなかった私は「あ、そうなんだ〜」と受け止めることしかできませんでした。

 

社会人経験の中で、数社のデザイン会社で働いてみて感じたのは、

多くのデザイン会社には全てにおいて「法令遵守」という意識が

完全に欠落しています。

中にはそうではない会社もありますが、相当レアという認識です。

 

後々書いていきたいですが、特に小さい会社では、

スナック感覚で解雇する会社が少なくない。

同僚がサクッと解雇されているのも見たし、自分がある日突然

サクッと解雇されたこともありました。

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そもそも入社時に契約書自体くれないね…

何社も転職してきましたが、入社時に内定通知書・内定承諾書、

雇用契約書を出してくる会社自体が少ない。

 

今でこそ思いますが、これらの書類を出さない会社は

入社前からイエローカードなので入社時には必ずもらうようにしましょう。

(世間的にはレッドカードだと思う、易しめに言いました)

ここで申し出て渡さなかったり、申し出たことで内定を取り消す会社は

入社前にヤバいことがわかってよかったと思って、前を向いてほしいです。

 

今の若い方は、当時の私よりもネットを使いこなして情報を得ているはず!

と信じているので、私が改めて言うことではないかもしれない。

ですが、今でも仕事で知り合うデザイナーや、デザイナー上がりの

同僚を見ていても、「契約」というものに対して無防備すぎる…!

と感じることが多いので、今回記事にしてみました。

もちろん、過去の自分も無防備そのものだったので、この記事もまた

過去の自分に向けて伝えたい内容です。

 

労働問題に直面したらどうする?

私が突然解雇されそうになった時は、法テラスに相談しました。

法テラスに相談すると、然るべき相談場所を教えてくれました。

(2015年前後の話です)

私の場合は東京都の労働相談情報センターの「東京都ろうどう110番」に

連絡するように言われました。法テラスで預かるか否かは、貯金額によって

違うとのことでした。詳しくはサイトで確認してみてください。

www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp

www.houterasu.or.jp

www.mhlw.go.jp

 

都内以外の方も、勤め先がある都道府県の労働相談情報センターなどで、

労働問題に詳しい当番弁護士の方にアドバイスをいただけるかと思います。

詳しくは各都道府県の労働相談情報センターにお問い合わせください。

 

私の場合は裁判はしませんでしたが、自分に有利になるようなアドバイスをいただき

結果的に次の職を見つけた上で退職できたので、労働相談は本当におすすめです。

法律のプロの言葉を聞いて頭の中を整理するだけでも、精神的な余裕が生まれてきました。

 

最後に

過去の私も何回かデザイン会社の労働問題で泣き寝入りをし、

おそらく私と似たような境遇で同じく泣き寝入りをした人は多いと思っています。

 

ですが、令和の時代は昔のようにプライベートを犠牲にして働いたり、

雇用者の一存で適当に扱われて黙っているような時代ではないと考えています。

デザイナーの方は強く主張することが苦手というか、そういうことより

自分が作ったもので勝負していきたい、と思う人もいると思います。

 

そういう真摯な人の気持ちにつけこんで、雑な扱いをするような会社は

地球上にいらないと思うので遠慮はいりません。

もし、雇用で雑な扱いを受けるようなことがあれば、自分だけで解決しようとせず

お役所の力を借りていきましょう。

 

私の中で、思い起こすだけでも今なら訴えるべきだなと思う内容が

いくつかあります。

  • 突然の解雇
  • なぜか渡そうとしない給与明細
  • 何故か渡そうとしない源泉徴収票
  • 未払いも甚だしい地獄のようなサービス残業代…

こういったものも、デザイナーであれば当然という時代ではなく

解消していくべき問題だと思います。

 

こういうイザコザで嫌になってデザイン業界自体から去る選択をした人も

見てきました。

その選択で今、幸せならばそれは全く問題がありません。

でも、自分に落ち度がないのに会社のせいで人生を振り回される事って

とても悲しいことだと思います。

 

デザイン職でなくとも、会社に人生を振り回される人はもちろんいます。

ただ、確率というか…そういうヤバい会社ガチャと考えたときに

引きが悪い業種ではあると思っています。

 

知恵と情報を武器に、こういう会社と渡り合っていく覚悟はどちらにしろ

必要かと思いますが、グラフィックデザインが好きであればそれを諦める必要はないと私は考えています。

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